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オープンソースカンファレンス(OSC) Tokyo 2017/Fall 参加レポート

カテゴリ: 雑記,ホームページ,Linux,セキュリティ,サーバ,プログラム,メール,開発環境

「OSC Tokyo 2017/Fall」に行ってきたので、そこで見聞きした内容をメモしておきます。

雑感

いつもいつも行くと「おー、スゲー!」「自分もやってみたい!」「頑張ろう!」という気持ちになるのですが、時間が経つと熱が冷めてしまってついつい先延ばしになってまた半年後「あ、あれまだやってなかった……」となるような気がします。一つでもそれを減らして、色々吸収したいですね。

なお、CMS系の多く(bacerCMS、Plone、adiary)は土曜のみの出展ということを完全に見逃していました……。
それから、Piwikも土曜日のみだったのですね。3.0.4のPDFレポートでリピートビジットの表や入り口ページタイトル、出口ページタイトルの一部の項目で頭文字しか出力されない現象について相談したかったのですが、それも叶わず。

今回は多くのユーザ会のチャンスを逃してしまった一方、企業ブースにてデモや説明を丁寧に聞くことができたので、そこで得られた部分を活かしていければ良いと思います。

各展示に関するメモ

各敬称略。

企業

  • Elastic: 全文検索エンジンElasticsearchをはじめ、データの検索・収集・統計・分析・可視化といった分野のアプリケーションを開発
    • 自分は一度テスト環境でElasticスタックを導入して運用している状況
    • WordPressの検索部分をElasticsearchに投げるプラグインがあることから、WordPressで検索に特化したサイトを作る場合はElasticsearchの力を借りたいと思っており、「Elasticsearchの環境を手っ取り早く整備するには?」と尋ねてみることに。
      • 想定通り、ElasticがメンテしているElastic Cloudが手っ取り早く、自分で運用することを考えなくて良い、ということで楽とのこと
    • Elasticseach(全文検索エンジン), Logstash(収集・データ加工), Kibana(分析・可視化)にBeats(データジッパー)が加わったため、旧来「ELKスタック」と称していたのを「Elasticスタック」に改めているので、呼び方はElasticスタックでお願いします、とのこと。
  • wolfSSL: 組み込み用軽量SSL/TLSライブラリ「wolfSSL」を開発
    • 今後のIoTを考えて、軽量なSSLライブラリを考慮しておくことは必要だと感じた
    • 新しいTLSであるTLS1.3は最初のHello以外は暗号化している。初回接続・再接続の際のオーバーヘッドを削ったことで通信速度も従来に比べて速くなっているとのこと
    • 導入はgit cloneからコマンド3つ。簡単。
    • やはり今時自前でのインストールはgit cloneですよねー、と感じた
  • 東芝デジタルソリューションズ株式会社: GridDB(NoSQL型のDB)の紹介
    • 信頼性と速度を重視
    • IoTのデータを収集・蓄積するなどの用途で選択肢の一つとして留めておきたい
    • Cassandraとのパフォーマンス・スケーラビリティの比較資料が厚く熱い
  • さくらインターネット: 「さくらのオフライン通信 夏号」でMastodonの名前を久々に見た気がしたのでメモ。
    • 一時の圧倒的な熱量はどこへ行ったのやら……という感じですが、Twitterで既に構築されたコミュニティに入りづらい、などの新規参入者の受け皿として機能しているような部分も見受けられ、もしかしたら今後どこかで「ここに特異点があるんだけど……あ、Mastodonで新しくできたコミュニティの影響か!」みたいなことが起きないかなー、と思っていたりします。
  • TIS株式会社: インフラ自動化フレームワーク「SHIFT ware」の紹介。Ansibleのデモ
    • 仮想化やDockerのようなコンテナ技術に代表されるように、サーバはもはや気軽にホイホイ建てられるものになりましたが、さらに環境構築もテンプレ化して自動的に環境構築もできるようになったことを改めて感じました
    • Ansibleの実際の動作デモを見せて頂き、今まで文章・座学でもやもやしていた運用イメージが一気に掴めた気がします。早く身に着けたいです。
  • cybozu developer network: kintoneの紹介など
    • kintoneの概要をざっくり把握しなおす。
      • データを蓄積する「データベース」
      • 処理を管理する「プロセス管理」
      • テキストのやり取りができる「コミュニケーション」
    • の3つの機能を持つ。お問い合わせの管理や予算・実績の管理といったアプリケーションの汎用的なプラットフォーム部分として使用できる。
    • WordPressのお問い合わせフォームプラグイン「MW WP Form」との連携でつい最近名前を頻繁に見たので、内容を把握して納得できた
  • 日本マイクロソフト株式会社: Azureの紹介など
    • Cognitive Services」が面白かった。画像から人物の名前や表情、特徴などを把握してjson形式のデータを返してくれる。サービス連携させて使うと面白そう。
    • 利用者は、ディープラーニングで学習したピンポイントなデータをAPI越しで取得することができるので、かなり手軽。
    • 「画像に対して自動でaltを記述する」という話はこのデモを見て相当の現実味を帯びて感じることができた。
    • 「Emotion API」は人物の顔の表情から感情を数値化して表す、というもの。
      • ライブ中の観客の顔を撮影し、そこから"本当にこのライブを楽しんでいるのか"を判定する
      • 自動販売機で、顔の表情から読み取った感情に合った広告メッセージを表示させる
    • といった新しいビジネスに繋がるという話を聞いて、自分の想定を超えたところに既に技術が到達していることを感じた。
  • NHNテコラス株式会社: インスタンスを自由に増やせる定額型パブリッククラウド「Croud Garage」の紹介など
    • 実験環境をクラウドでサクッと作るときの選択肢の一つとしてアリだと思いました
  • 株式会社ウェブチップス: 自治体向けCMS「SHIRASAGI」の紹介
    • 何度も見ているものの未だにテストしていないSHIRASAGI。いい加減試したい……。環境がLAMPではなくてRuby on RailsとmongoDBなことに注意。
    • 今回は管理画面やフロント画面のデモ見られたので、実際の構築や運用のイメージが掴めたのが収穫。
    • グループウェア機能やWebメール機能(メールサーバはDovecotやPostfixを使う)もあるので、社内向けサイトはこれで一括した形、というのもアリなのではないかと感じた
  • サイトブリッジ株式会社: 自治体向けCMS「joruri CMS 2017」の紹介など
    • joruri CMS 2017はZOMEKIの系譜。今までのjoruriとは一応別の系譜なので注意。
  • 株式会社デージーネット: Webメーラ「Roundcube」の紹介など
    • Roundcubeは、ドラッグ&ドロップなど、ネイティブアプリに近い操作性を持ったWebメールソフト。方式はIMAP(メールサーバはDovecotやPostfixを使う)。プラグインは無償・有償とものによって異なるが、拡張機能を必要に応じてインストールできる柔軟性がある。
  • フューチャーアーキテクト株式会社: 脆弱性スキャナー「Vuls」、SQL開発プラットフォーム「OuroboroSQL」、SPAライブラリ「Urushi」の紹介・デモ
    • Vulsを試してみたい

ユーザ会

  • へにゃぺんて: フルスクラッチOSのデモと説明
    • UEFIの概要
      • 仕様としては、Cなどの言語で関数呼び出しとしてマウスやキーボードといったデバイスドライバーやディスプレイへの出力ができる。当然、ネットに繋いだりGUIの設計もできる。
      • BIOSはもっとハード寄りでアセンブラだったり何だったり……とした部分が、UEFIでは一般的なソフトウェアに近い感覚で設計・製造ができる。ブートローダも特定の命名規則に従ったディレクトリに実行ファイルを置いておくだけでキックされる、とのこと。本当にソフトウェアだこれ。
      • UEFIの仕組みを(かなりざっくりとではあるけど)知ることができて、OS起動までの仕組みなどを知ることができた
  • 線形算法同好会: プラレール半加算器
    • 回を重ねるごとに小型化していっている猛者

その他

  • 中小企業では社内ルールが官公庁ほどきっちり決まっていないので、グループウェアは実は使いづらいのでは?という問題提起
    • あるワークフローで使う機能が「掲示板」なのか「稟議」なのか、など、カテゴリを当てはめることが難しい
      • 結果、同じワークフローでも人や部署によって異なる機能を使っているなどのバラつきが生じ、運用を続けるほど散らばっていって管理が難しくなる
    • 社内でのコミュニケーションツールはチャットや掲示板が使えるかもしれないが、社外に対してはメール
      • 結局ワークフローにおいて「メールが起点」になってしまう
        • ならば、メールを起点にしたツールの方が良いのでは?
    • etc.
  • 顧客に対してのカスタマイズを行うと、サポートが難しくなる。
    • 「制作したソフトウェア」そのものを対価にすると、顧客の意図した挙動にならなければ、それがソフトウェア上の仕様であったとしても瑕疵や不具合として対応せねばならない場合があり得る
    • 受託開発ではソフトウェアそのものではなく、サービスを提供。顧客に対して柔軟な対応ができるが、顧客ごとへのカスタマイズが深くなると保守が難しくなるし、担当者に集中して属人化する原因に繋がりかねない
    • 顧客へのカスタマイズではなく、要望を標準機能として搭載してパッケージに含めてしまう、という手もあるが、下手に要望を受け入れると後でいらなくなったときにその機能をどうするか
      • たとえ少量の修正・機能追加であっても、提供するソフトウェアの全体に対しての責任担保といった観点から下手な改修はできないのでは……
    • などなど、どの方法も銀の弾丸ではないし、どこも苦労しているのだなーと雑談の中で。
  • スペースの片隅で小さい子供が「Debianのコントロールステージ(?)は?」とかそんなことを聞きながらコマンド叩いてて思わずガン見してしまった……コマンド叩ける子供って実在したのか。

雑記

オープンソースカンファレンスの幟

オープンソースカンファレンスの幟。

明星大学28号館 屋外共同スペースの階段中央の水路「ソルブラン」

明星大学28号館 屋外共同スペースの階段中央の水路「ソルブラン」の案内板

階段中央の水。「ソルブラン」という名前だと初めて知りました。

廊下に展示されていた巨大なFirefoxのロゴ

巨大Firefox。ロシア語で考えるんだ。

OSS(オープンソイソース)と名付けられた会場頒布グッズ。中身は島根県松江市で作られたちゃんとしたお醤油

OSS(オープンソイソース)。山積みにされた醤油を最初に見たときは何事かと思いました。

沿線火災を知らせる電光掲示板

経堂行き臨時各停と表示された電光掲示板

経堂行き臨時各停と表示された電光掲示板(英語表示)

なお、帰路で小田急沿線の火災および車両に燃え移った火事の影響で足止めと迂回を喰らいました。この路線、半年に一度(つまりオープンソースカンファレンス Tokyoのとき)しか乗らないのにピンポイントで影響を受けたので吃驚しました……。

タグ: データベース,イベント,サーバ環境・構築

 



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